闘病手記No.17 【その後】

【20歳代 女性】


10代で骨髄異形成症候群と診断され、いつ悪化をするのか分からない状態から8年目に悪化。私には妹からの末梢血幹細胞移植を受ける他に道はありませんでした。

緊急入院から約半年間家に帰れず、ベットからも1人で動けなかった日々。
昨日まであった日常がそこにはありませんでした。
高熱の時やしんどい時は寝て回復するしかないので、何も考えず平気なのですが、平熱で痛くもしんどくもないけれど動けない時が1番辛かった。


周りでは同年代の看護師さんやお見舞いの方がいて、いつも線引きされているように感じて看護師さんや家族には当たってしまった時があります。

そんな時でも真剣に向き合って話を聞いてくれたのも看護師さんや家族でした。


退院後も病気との付き合いは形をかえて続いていきます。

移植を受けたことでGVHDによる急性肝炎や胆石、ステロイド治療による大腿骨頭壊死のため人工関節置換など血液内科以外のことでも様々なトラブルがありました。
移植から8年経ち、そろそろ落ち着いたかなと思うのですが、何かと乗り越えてこれたのも松田先生や看護師さん、通院の際にも気を掛けてくださる方々のおかげです。
本当にありがとうございます。


病気になった事で経験したくなかった事もありますが見落としがちな小さな幸せや気付けたこともあります。

毎日顔を出してくれたお父さん
おばあちゃんの介護もあったのに私のワガママにも笑顔で応えてくれたお母さん
心配性でしんどい時におんぶしてくれるお兄ちゃん
命をくれた妹
こんなにも家族に恵まれていたことに気付けました。


また、出逢えた人たちもいます。

その中にはムーンフェイスの私にも何も言わず以前と同じように接してくれた主人がいます。


闘病の中私の身体は未来で生まれたかもしれない命より今の私の命を優先しました。

未来へ命を繋げることは叶いませんでしたが、主人とは一緒に未来へと歩いていけるので治療に立ち向かっていけた自分に誇りを持って生きています。