Feature

ダビンチとは

ダビンチは、「ロボット」、「コンピューター」、「光学」の各技術を応用して、患者さまの体への負担が少ない(低侵襲)手術を支援する医療機器です。

ロボット支援手術のメリット

患者さまへの負担が少ない

傷口が小さく済むため、出血が抑えられ、体への負担を軽減。術後の早期回復が期待できます。

術野は鮮明な3D画像

執刀医は、3Dモニターで10倍に拡大した術野を見ながら、ロボットアームを操作するため、人の目より自由に見たいところを鮮明に見ることができます。

人の指先以上の動きを実現

ダビンチの鉗子は手首以上の可動域を持ち、コンピューター技術が手ブレを補正するため、正確で安全な手術が望めます。

手術は、知識・技術を習得した執刀医がダビンチをコントロールしながら行います。ダビンチの鉗子は、人間の手よりも大きな可動域を持ち、低侵襲アプローチで補正するため繊細な動きを要する手術を可能にします。ロボット部の先端には3本のアームがついており、そのアームを医師が画面を覗きながら操作し、手術がおこなわれます。ダビンチは執刀医の手の動きを再現するもので、決して機械が勝手に作動することはありません。

当院の適応病名

当院の現在の適応病名は、前立腺がん・腎臓がん・膀胱がんとなります。(2024年6月現在)

手術のご相談につきましては、泌尿器科ご受診の上、医師へご相談ください。

お問い合わせは、泌尿器科外来までお願いします。

0721-24-3100(代表)9:00~17:00

今後の取り組み

当院では現在、泌尿器科疾患が対象となりますが、他科を含めたダビンチを使用する手術症例を拡大していきます。

前立腺肥大症とは

膀胱のすぐ下にある前立腺が大きくなる病気です。現在では、食生活の欧米化などにより80歳までに日本人男性の80%が前立腺肥大症になるといわれています。
さらに、排尿機能に関わる病気のため症状が起こっている前立腺だけでなく、尿を溜める臓器である膀胱の機能が低下し、残尿を引き起こし、尿を生産する臓器である腎臓に負担がかかり腎不全といった症状に至る可能性があります。

以下の症状がある方は前立腺肥大症かもしれません

  • 頻繁に尿意をもよおす
  • 尿が出始めてからで終わるまでに時間がかかる
  • 排尿後の膀胱に尿が残る
  • 尿の出る勢いが弱い
  • 急に尿意をもよおす
  • 排尿にいきむ必要がある など

グリーンライトレーザー治療とは

内視鏡を用いて尿道から小さな光ファイバーを通し、高出力レーザーを照射して前立腺組織を蒸散させることで尿路の閉塞を取り除く治療法です。
新たに更新したグリーンライトレーザー治療器は以前よりも更に高出力で耐久性に優れており、一度に広範囲のレーザー照射が可能となり、短い時間で組織を早く除去でき出血が少なくすみます。
従来の電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術と同等の効果が得られ、術後の血尿やむくみによる影響が少ないのも特徴です。また術後の尿道バルーンの留置期間が短く、入院期間も短くなります。

レーザーにより前立腺を蒸散させ、尿道の閉塞を取り除きます。

グリーンライトレーザー治療の5つの特徴

出血が少なく短時間

広範囲のレーザー照射が可能となり、出血が少なく短時間で組織を取り除くことができます

痛みがほとんどない

術後の痛みがほとんどなく、 早期に良好な排尿が期待できます

短期間の入院

短期間の入院で治療が可能です

男性機能に影響がない

術後の男性機能にほとんど影響しません

抗凝固剤内服中の方も

抗凝固剤内服中の方も治療可能です

よくある質問

Q前立腺肥大症は、がんの一種ですか?

前立腺肥大症はがんの一種ではありません。ただし、前立腺がんと症状が似ていることから、「がんでない」と確認するためにも症状が気になる方は早めに泌尿器科を受診してください。

Q治療費は高くないですか?

グリーンライトレーザー治療は保険診療が可能です。

Q前立腺を蒸散させて、体調や性機能に影響は生じませんか?

前立腺は直接生命の維持に関与する臓器ではないため、影響はありません。術前に勃起障害のない患者さまの場合、ほぼ手術に起因する勃起障害は見られなかったとの報告があります。ただし、グリーンライトレーザー治療の特性上、約半数の方に逆行性射精による男性不妊が生じることがあります。

Q逆行性射精とは?

手術で膀胱の出口が広がったため、本来尿道側に射精される精液が膀胱内に出てしまう合併症です。精液は尿と共に排泄され、体調には悪影響を及ぼしませんが、不妊の原因となります。

人工関節置換術にナビゲーションシステムを導入

当院整形外科では、これまで多くの膝、股関節疾患に対して、人工関節置換術を施行してきました。この手術は、術前の綿密な計画が重要であり、結果の良否に大きく影響します。手術の際には、術前計画に従って、人工関節を最適なサイズ、位置に設置することで、術後の合併症の予防や、長期の関節機能の維持が期待できます。
従来の術前計画は、単純X線やCT画像を専用のソフトを用いて、パソコン画面上で作成するため、立体的ではなく平面上での設計図でした。

また、実際の手術においては、特殊な器械を用いて人工関節の設置位置を確認してきましたが、計画どおりに手術を再現するには限界があり、術者の経験によってカバーしてきました。
これらの問題点を解決するため、ナビゲーションシステムを導入しました。このシステムにより、術前計画を立体的に立てることが可能になり、より綿密な設計図が作成できます。

ナビゲーションシステムの仕組み

例えると自動車のカーナビゲーションに似た原理で、目的地を設定すれば現在の位置を割り出し、地図上にリアルタイムで表示されます。
ナビゲーションシステムは、本体から発した自発光式LEDをポインターが受信し、その後、本体へ位置情報を伝達する相互システムとなっています。

人工股関節手術の術前計画

CT画像検査データより3次元股関節形態をコンピューター内に再構成し、良好な人工股関節の固定性や可動域が得られるよう、骨切り位置・角度の設定、人工関節の種類や設置位置等を術前に検討します。

人工股関節手術の術中ナビゲーション

手術中はリアルタイムに患者さんの関節と、ナビゲーションシステムの画面を確認しながら手術をします。
これにより、骨をより正確に削ることが可能になり、誤差は2度・2㎜以内で術前計画通りに人工関節を設置することができます。

人工膝関節手術の術前計画

人工膝関節置換術においては、術前計画との誤差は1㎜以下の精度での再現が可能になりました。

人工膝関節手術の術中ナビゲーションと動作解析

さらに、術中に膝関節の動作解析ができ、術後の関節運動をシミュレーションできます。
ナビゲーションの導入で、これまで以上に正確で、精度の高い手術が可能になり、安全性、術後成績の向上に応えられるようになりました。股関節あるいは膝関節の痛み、機能障害で日常生活に支障をきたしておられる方は、当院整形外科にご相談ください。