Nursing

専門看護師・認定看護師

当院では日本看護協会が資格認定した専門看護師、 認定看護師が活躍しております。

がん看護専門看護師

がん看護専門看護師(非常勤)
山田 忍

がん患者のケアについては、2006年の「がん対策基本法」を皮切りに、いつでもどこでも誰もが質の高いがん医療を受けられるということが、期待されています。そういった時代の流れの中で、がん看護専門看護師(Oncology Certified Narse Specialist)は、複雑な問題を持つがん患者さまやそのご家族、そして患者さまを取り巻く社会的背景も踏まえた相談支援を行っております。専門看護師の役割である「実践」「相談」「調整」「教育」「倫理調整」「研究」を軸に、がんの予防から診断・治療・終末期ケアまで、がん患者さまとその家族に対して幅広く質の高い看護を提供することを目標としています。
具体的な活動としては、病院全体をラウンドし、がんの痛みに対するオピオイド(医療用麻薬)の導入や告知後の不安への対応、その他がん患者さまとそのご家族を含めた困りごとに対応しております。また、「ぴーえるサロン」を開催し、がん患者さまが気軽に語り合える場を提供させて頂いております。
「緩和ケア」は、がんの告知を受けた時から始まっています。治療と並行して、積極的に痛みや辛さを緩和することが重要なのです。

感染管理認定看護師

感染管理特定認定看護師
蚊野 純代・笠矢 友美

感染管理特定認定看護師は、患者さまや職員、そして病院に出入りするすべての人を感染から守る役割を担っています。
感染対策がスムーズに実施できるように、システムやマニュアルの整備・感染症の発生状況の把握(サーベイランス)・血液体液曝露対応・研修会の企画と開催・安全な療養環境のためのファシリティマネジメント・抗菌薬の適正使用など、活動は多岐にわたります。また、院内をラウンドして感染対策上の問題点を明確にし、現場と共に改善に取り組んでいます。
これらの活動は、他職種から構成されたICT:感染対策チーム(Infection Control Team)やAST:抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team)と共に行っています。また、病院内だけでなく、保健所や他の施設とも連携しています。
病院は感染対策を実施する責務があります。医療関連感染(院内感染)をゼロにすることはできませんが、ゼロを目指して日々活動しています。

皮膚・排泄ケア認定看護師

皮膚・排泄ケア認定看護師
山口 富士子・吉田 智子

PL病院には2名の皮膚・排泄ケア認定看護師が活動しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師は、ストーマの造設や褥瘡などの創傷及び失禁に伴って生じる問題に対して、専門的な技術を用いて質の高い看護を提供する看護師のことです。創傷やストーマ(人工肛門・人工膀胱)、失禁ケアは皮膚のケアが基盤となり、健康を損ねた皮膚や皮膚障害のリスクの高い脆弱な皮膚に対して、健康を取り戻すことを目的としています。また、排泄に関しては排泄の問題に関する苦痛を取り除き、尊厳を保ち、生きる意欲やその人らしい生活を取り戻すためのケアを提供することを目的としています。
「創傷(きず)」は、治りにくい慢性の創傷(褥瘡や糖尿病性足病変など)を治りやすい環境に整えること、またそのような創傷を予防することが活動の主となります。褥瘡対策チームの中心となり、他職種で褥瘡の治癒の促進、予防のための活動を行っています。最近では慢性の創傷以外に、酸素マスクやギブスなどで生じる“医療関連機器圧迫創傷” や高齢者特有の手足に生じるかぎ裂きのきず“スキンテア”が問題となっており、その発生時の対応や予防に力を注いでいます。

多職種チームによる創傷回診、カンファレンス

「ストーマ」は、ストーマを造設される人、造設された人が持つ悩みや問題を解決するため、ストーマのケアはもとより、必 要な装具の選択、セルフケア(手入れの方法)の指導、手術前の生活に1日も早く近づけるよう生活指導、相談対応 等を行います。入院から外来まで継続した支援を行っています。

ストーマ外来:消化器ストーマ・尿路ストーマ

「失禁」失禁患者に対し、排尿障害および排便障害の知識を基に失禁のアセスメントを行い、失禁と失禁に伴う問題の改善を促します。排尿に問題を抱える患者さまには多職種で構成する排尿ケアチームが中心となり、排尿の自立に向けた包括的なケアを行います。

私たちは、きずや皮膚の一部だけを見るのではなく、全身を捉え、その傷や皮膚や排泄のトラブルがその人の生活にどのような影響を与えているのかを精神的、社会的な側面も考えて、退院後の生活を見据えたケアを提供していきたいと思っています。

がん性疼痛看護認定看護師

がん性疼痛看護認定看護師
益倉 智美

がん性疼痛看護認定看護師は、患者さまや、ご家族の方々の痛みを全人的(身体的・社会的・精神的・スピリチュアル)に捉え、痛みの専門的な知識を用いて、痛みを軽減するだけでなく、患者さまの望む生活に近づけるようにサポートする役割があります。
私は、緩和ケアサポートチームに所属し、医師や薬剤師、理学療法士など他職種のスタッフと協力し、活動をしております。患者さまの痛みの原因と特徴などから、患者さまの生活背景を踏まえた薬剤の適切な管理および指導、また非薬物療法(温罨法・アロママッサージなど)を用いたケアを実施しています。どのようなことでも結構ですので、お悩みや困りごとをお聴かせください。
『麻薬って怖い』と誤解されていませんか・・・
がんによる痛みは、診断時に20~30%、進行癌の患者さまの全体では75%に存在する症状です。現在、世界中で医療用麻薬の使い方は確立されています。日本でも医療用麻薬は、がんの痛み・手術後の痛みに、積極的に使用されています。決して『恐ろしい・怖い薬』ではなく、安全な鎮痛薬で、安心して使用していただけます。がんの痛みは我慢しないでください。

救急看護認定看護師

救急看護認定看護師
山口 千晴

救急看護認定看護師の役割は、救急医療ニーズに応えて、危機状況にある患者さまおよび家族への精神的援助にいたるまで、幅の広い救急看護領域の知識や技術が必要です。 救急看護は、時間や場所、性別や年齢を問わず、様々な緊急場面を対象とし、短時間で緊急度・重症度の判断が求められます。さらに迅速に適切な対応を行うことが求められるため、患者さまの急激な状態の変化に素早く対応していくことを心がけています。
救急医療の質の向上と蘇生法の普及を目指し、ACLS「二次救命処置」、看護師以外の職員を対象としたBLS「一次救命処置」のコースを企画・実施し、救命技術の指導に取り組んでいます。 また、時間外受診患者のトリアージを導入し、あらゆる状況の中で患者さまの状態を的確に判断して、予測される問題を把握し、緊急度・重症度に応じた適切な処置や看護を提供しています。地域住民の方々が、緊急を要する場面で安心して治療を受けていただけるように、救急部門での取り組みも充実していきたいと思っています。

摂食・嚥下障害看護認定看護師

摂食・嚥下障害看護認定看護師
深川 喜久子

「食べること」は、私たちにとって当たり前で、必要不可欠なことです。しかし、様々な病気や年齢を重ねることによって、食べることが難しくなったり、食べると肺炎になってしまう患者さまも多くいらっしゃいます。
摂食・嚥下障害看護認定看護師は、そんな患者さまのリスクを早期に発見し、嚥下スクリーニングを行い、お口のケア方法の提示や食事のときの姿勢調整、食事形態の調整、嚥下訓練(体操)を行っていきます。 また、うまく食べられない、飲みにくい患者さまは栄養状態も悪くなりがちですが、NST(栄養サポート)チームなど多職種からなるチームのメンバーとして、院内の低栄養の患者さま、食べにくい状態になった患者さまの回診やカンファレンスを行い、専門的な知恵を出し合って患者さまの栄養管理も行っていきます。
日々の具体的な活動としては、病院全体をラウンドし、主治医・病棟看護師・リハビリスタッフとともに「口から食べる楽しみ」を安全に継続できるように、患者さまへ関わっています。必要時、嚥下内視鏡検査・嚥下造影検査などで評価を行います。
お食事=日々の生活なので、心配事もたくさんでてきますが、ひとつひとつ解決し、安心して退院後の生活が送れるように支援していきます。

認知症看護特定認定看護師

認知症看護特定認定看護師
松本 比砂美

超高齢社会を迎え、高齢者の増加に伴い認知症高齢者数も増加しています。厚労省の発表によると認知症有病率が一定である場合では、認知症患者は2040年には802万人、2060年には850万人になると推計されています。このように認知症を病む人が増え続けていくことが予想されており、病院でも認知症のある入院患者数が年々増えてきています。
認知症のある患者さまが入院すると、急激な環境の変化や疾患からの身体的苦痛によるストレスから混乱が生じてしまうことが多く認知症の症状が悪化することがあります。 また、このような患者さまを傍で支えるご家族は、今後どう対応したら良いのか不安でいっぱいになることが多くあります。
認知症看護特定認定看護師は、これらの症状を緩和出来るように、うまく自己表現できない認知症のある患者さまの代弁者となり、スタッフと共に患者さまを支えていきます。 日々、患者さまの尊厳を守り、穏やかな入院・療養生活が送れることを願いながら活動しています。
地域住民のみなさんも、認知症についての相談がありましたら気軽に声をかけてください。

クリティカルケア認定看護師

クリティカルケア認定看護師
伊藤 浩美

クリティカルケア認定看護師として私に求められていることは、専門的知識、技術を用いて看護の実践と、ご家族の精神的サポートを行っていくことです。
実践モデルとして臨床現場では、トレーニングや指示、状況判断などを行います。重症急性期の患者さまは容態の急変も多く、スタッフが普段の力を発揮できるようにフォローすることも重要な役割と考えています。急性期に私たちが行う看護はその後の患者さまのQOLに大きな影響を与えます。いかに実践を通して伝えられるか、私自身のアプローチによって「現場の看護が変わること」を大切に臨床の現場で日々活動しています。昨年から早期離床・リハビリテーションの取り組みを開始し重症患者の離床を安全に行えるようプロトコルを作成、実施しています。また、特定行為では人工呼吸器設定の変更や動脈血採血などを行いタイムリーなケアにつなげています。HCU病棟から一般病棟へ転棟された患者さまに対してはCCR(Critical care round)を行っています。呼吸、循環、ADL、PICSなどの側面から情報収集を行い、HCUでの看護のリフレクション、新たな問題の抽出、病棟看護師の不安や疑問に対してケアアドバイスを行える機会にしていきたいと考えています。