大阪府がん診療拠点病院
臨床研修指定病院
紹介受診重点医療機関
RSウイルスは、通常冬季に流行する呼吸器感染症です。最近は温暖化や新型コロナウイルス感染症の流行に伴う人の活動の制限から夏季に流行することもありました。1歳までに7割、2歳までにほぼすべての児が感染するという報告もあります。RSウイルスは生涯にわたって感染を繰り返します。3~8日の潜伏期間のあと発熱、鼻汁、咳嗽などの症状が出現します。乳児は呼吸がしんどくなるリスクが高いとされています。特に1か月未満では無呼吸発作を起こすこともあります。
代表的な検査は迅速抗原検査といって、鼻咽頭(鼻の奥)を綿棒で拭って検査しますが、外来保険診療では重症化のリスクがある1歳未満しか検査が認められていません。
代表的な検査は迅速抗原検査といって、鼻咽頭(鼻の奥)を綿棒で拭って検査しますが、外来保険診療では重症化のリスクがある1歳未満しか検査が認められていません。
抗ウイルス薬による治療と対症療法があります。
インフルエンザウイルスのように抗ウイルス薬はありません。
対症療法としては症状に応じて熱を下げる解熱剤を使用したり、鼻水を出しやすくするお薬、咳を軽くするお薬を使用します。重症化の方には入院の上、酸素や呼吸をサポートする機械を使用することがあります。
一般的な風邪と同じ対応で大丈夫ですが、解熱後に鼻汁が多くなる疾患です。中耳炎などの合併症もあるので、家庭で鼻水の吸引をこまめにおこないましょう。また乳児は重症化のリスクがあります。呼吸が苦しそうだったり、哺乳ができない等あれば医療機関の受診をお勧めします。また基礎疾患の気管支喘息がある方はRSウイルスの感染を契機に発作が起こる可能性があります。
小児科医 植山 浩一