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看護研究発表の記録(2017年度)

院内発表会

2017年度 第40回 院内看護研究発表会

平成29年12月9日(土)PL病院講堂にて院内看護研究発表会を開催しました。通常業務と並行しながら各部署より自主的に研究に取り組み、看護の質向上を目指し、日々研鑽した集大成を発表しました。

院内看護研究発表大会
意思疎通困難な高齢患者の安全ベルト装着における看護師の判断過程を探る
6階東病棟
認知症患者が増え日々看護に悩む中、患者の安全を考え、車椅子移乗時に転倒転落防止のため安全ベルトを装着していました。それぞれの看護師がどのような判断の元、安全ベルトを使用しているか疑問を持ち、当院看護師300名にアンケート調査を実施しました。その結果、安全ベルトを使用する基準は個々で相違があるが、倫理面に関しては配慮していることがわかりました。
子どもと共に立ち会い分娩を体験した父親が助産師へ求めるケア
4階病棟東
本研究では、立ち会い分娩を体験した父親3名にインタビューを実施し、質的研究を行いました。逐語的に記述し、立ち会い分娩の体験の内容を抽出し、6項目のカテゴリー、19項目のサブカテゴリーに分類することができました。そこで、父親は私たちに確実な助産診断能力を求めていることが分かりました。
ロールプレイを用いたスタッフへの教育方法を考える

   ―ベビーベッドからの転落予防について―

5階東病棟
病棟で発生したベビーベットからの転落事故について、患者背景、入院中の状況、付きそい者の有無、事故に至った経緯を分析し、先行研究との裏付けを行いました。そこで入院期間中のどの時期にどのような介入が必要かを明らかにでき、ロールプレイを用いたスタッフへの教育の一助となるよう取り組む事ができました。
浅い鎮静中の人工呼吸中の患者が意思疎通を有効に行える体位と筆談の検討
HCU病棟
近年、過剰鎮静による弊害が確認されており、当院でもできる限り早期から浅い鎮静となるよう取り組んでいます。しかし、発声が出来ない状態の患者は思いを伝えることが困難なため、ストレスとなることが多く、そのことに着目し患者の意思疎通を有効に行える体位と筆談物品の研究を行いました。その事で、意思疎通には患者の元々の生活環境も重要であることがわかりました。
認知症患者に対するユマニチュードの実践による効果の検証
8階病棟
認知症が進行し、会話能力の低下した患者様に、ユマニチュードを実践に取り入れ、介入前後でのことば・表情において、変化を検証しました。
透析に関わる看護師が抜針事故を防ぐために,身体拘束を強化する要因の抽出
腎センター
透析治療において抜針事故は生命を脅かす重大な事故であり,透析に関わる看護師は抜針事故予防意識が高いと考えます。そこで,南大阪地区の透析施設にアンケート調査を依頼し,14施設174名から回答を得ました。そのデータを数字へ変換し,探索的因子分析にて透析に関わる看護師が身体拘束を強化する要因の抽出を行いました。結果,49項目4因子が抽出され,抜針事故に対する看護師の恐怖心も要因となっていることがわかりました。

 

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